相談事例集

2012.09.04更新

<相談内容>
 この度、私の父が亡くなり、その子である私(男)、姉、妹で遺産分割協議をすることになりました(母は父より先に他界しています。)。遺言はありません。

 私は、父と同居し、父名義の不動産(土地建物)において家業である和菓子屋を継いでいる一方、姉と妹は嫁いでいます。

 私は、引き続き家業を継続するため、父名義の不動産を取得したいのですが、姉や妹もそれぞれ法定相続分3分の1を主張し、遺産分割協議が進展しません。

 このような場合、父名義の不動産を売却して、売却益を相続人で3分の1ずつ分けるしかないのでしょうか。
 私としては、何とか、不動産を取得して家業を継続したいと思っています。

<解決>
 このケースでは、お姉さんと妹さんは、法定相続分3分の1を主張するといっても、必ずしも不動産の共有持ち分を取得することに固執していると思われません。すなわち、遺産の価値として3分の1を主張しているわけです。

 とすれば、相談者の方が、不動産全部を取得する代わりに、不動産価値の3分の1相当額を、お姉さんと妹さんにそれぞれ払うことにより、遺産分割協議をまとめることが可能です。このような解決法を代償分割といい、そのために支払われる金銭のことを代償金といいます。

 例えば、不動産の価値が3000万円であれば、相談者が不動産全部を取得する代わりに、お姉さんと妹さんにそれぞれ1000万円を払うことになります。
 もちろん、他に預金等の遺産がある場合はそれを組み合わせることになりますし、相談者が手元資金で代償金を準備できない場合は、遺産分割と同時に銀行等からの借り入れも組み合わせることになります。

 それから、このようなケースで一番注意したいことは、お父上がお亡くなりになった後、直ちに相続人である兄弟間で相続権の主張がなされないからといって、遺産分割協議を先送りにしないことです。数年経過後に、遺産分割協議をするとなると、その時のおかれた状況等から感情的なもつれが生じたり、必ずしも適切ではない知識を前提に法的に無理な主張を展開するなどして、遺産分割協議が難航することが多々あるからです(多くの案件を扱ってきた等事務所の経験に基づきます。)。

 したがって、遺産分割協議は、葬祭関係等がひと段落した後、速やかに開始することが望ましいと言えます。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.08.28更新

<相談内容>
 
私は、不慮の事故により、夫を失いました。夫は、自宅土地建物を遺してくれたのですが、一人息子は5歳なので、自宅土地建物は私の名義にしようと思います。それに先立ち、亡夫の相続人である私と息子との間で、自宅土地建物を私が単独相続するという遺産分割協議をまとめる必要があると聞いたのですが、何か注意するべき点はありますか。なお、遺言はありません。

<解決>
 
この場合、息子さんは未成年ですので、息子さんと母親で遺産分割協議をすることができません。
 そして、息子さんの法定代理人となる親権者は母親ですので、母親が自分の立場と息子さんの代理人としての立場(すなわち一人二役)で、遺産分割協議をすればよいように思われます。

 しかし、母親と息子さんに関する自宅土地建物の権利関係を見ると、もともと法定相続分は2分の1ずつであったところ、母親が単独相続すると、息子さんは自分の法定相続分2分の1を失うことになります。すなわち、母親の相続分が増える一方で、息子さんの相続分が減るという点で、2人の利害は衝突するのです。

 このような場合、母親は親権者として権限を行使することはできません(民法826条1項)。

 では、どうすればよいのでしょうか。

 このような場合は、家庭裁判所に、母親が自分の代わりに、息子さんの権利を行使し、遺産分割協議を行ってくれる特別代理人を選任してくれるよう申立てる必要があります。

 その上で、母親は選任された特別代理人との間で、母親が自宅土地建物を単独相続する遺産分割協議をし、登記手続きを行うことになります。

 特別代理人が母親の意向に沿ってくれるか不安かもしれませんが、本件では、母親が単独相続することに特段の問題点はありませんので、意向に沿ってくれるものと思われます。また、家庭裁判所への申立ての際に、特別代理人候補者として理解のある方を推薦することも可能です。

 このようなケースにおいても、弁護士に依頼すれば、スムーズに手続を進めることができますので、是非当事務所にご相談ください。
 

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.08.03更新

<相談内容>
 この度、地方で単身居住する母親が亡くなりました(父は先に亡くなっています。)。父が居住していた土地建物の遺産があります。また、遺言はありません。

 私は、都市部に生活の拠点をおいており、上記土地建物を使用することもないので、売ってお金にかえたいと思っています。しかし、もう一人の相続人である弟が、行方不明(亡くなっていないことは確かです。)で、遺産分割協議をしたくてもできません。

 このような場合、父の遺産を処理することはできないのでしょうか。

<解決>
 まずは、あらゆる手を尽くして弟さんの所在を掴むことが必要ですが、どうしても、所在が明らかにならない場合もあります。

 そのような場合に、遺産分割協議を進めるためには、これに先立ち、弟さんに関し、不在者の財産管理人の選任を、家庭裁判所に求める必要があります(民法25条)。

 そして、家庭裁判所から選任された財産管理人が、あなたとお父さんの遺産についての遺産分割協議を行うことになり、協議が整えば、遺産に含まれる土地建物も売却することができるようになります。 

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.07.10更新

<相談内容>
 この度、私の父が亡くなりました(母は先に亡くなっています。)。遺言はなく、遺産としては、預金等の金融資産3000万円相当があります。

 私には兄が一人いますので、法定相続分は、私と兄で各2分の1ということのようですが、兄は、2年前に自宅不動産を購入するにあたり、父から1000万円の贈与を受けています。

 この1000万円の贈与は、今回の相続に影響を与えないのでしょうか。

<解決>
 この場合、お父さんからお兄さんに贈与された1000万円を、特別受益であるとして、具体的相続分を計算すべきであると主張することができます。

 共同相続人の中で、被相続人から遺贈を受けたり、また婚姻や養子縁組のため、あるいは生計の資本として、生前に贈与を受けた者がいた場合に、別に相続分の前渡しを受けたものとして、その者の相続分を減らす制度があり、このような遺贈や贈与のことを特別受益といいます(民法903条)。

 ご相談の場合であれば、具体的相続分は次のように計算されます。

1 みなし相続財産
  3000万円(被相続人の下に現存)+1000万円(2年前に兄に贈与)
 =4000万円(みなし相続財産)

2 具体的相続分
 (1)相談者
   4000万円(みなし相続財産)×1/2(法定相続分)
  =2000万円(具体的相続分)
  →現存する3000万円の金融資産から2000万円を相続することになります。

 (2)お兄さん
   4000万円(みなし相続財産)×1/2(法定相続分)-1000万円(贈与分)
  =1000万円
  →現存する3000万円の金融資産から1000万円を相続することになります。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.06.26更新

<相談内容>
 私の父は、父名義の農地で農業を営んでいました。私は、大学卒業後数年間、会社勤めをしていましたが、父が大病を患ったことをきっかけに退職し、農業を引き継ぐことになりました。その後30年あまり経って、父は亡くなりましたが、その間、私は、農業に従事し、父の土地を守ったことに加え、父を介護してきました。
 相続人は、私の他、弟と妹で(母は父より先に亡くなっています。)、遺言はないのですが、このような場合でも、法定相続分(3分の1)どおりしか、相続できないでしょうか。

<解決>
 この場合、あなたが農業に従事されてこられた点、お父さんの介護をされてこられた点をとらえて、被相続人であるお父さんの財産の維持、増加に特別な寄与をしたとして、法定相続分の修正を主張することが考えられます(寄与分の主張、民法904条の2)。
 どの程度の寄与分が認められるか、個々のケースにより異なりますが、相続人間の遺産分割協議がまとまれば、問題はありません。

 しかし、遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申立て、そこで協議をする必要があります。
 それでも、調停がまとまらない場合は、審判手続で審判官(裁判官)に決めてもらうことになりますが、本体となる遺産分割調停のみを申立てているだけでは、遺産分割審判に移行した際、寄与分は審判の対象になりませんので、寄与分に関する審判の申立てをしておく必要があります。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.06.20更新

<相談内容>
 私の母は、預金や投資信託などの金融資産を預けていた銀行の担当者に勧められて、その銀行で遺言信託をし、私や妹も、そのことを聞いていました。
 母が亡くなり、その遺言を実現したいのですが、遺言執行者に指定されていた銀行から、諸般の事情により遺言執行者を辞退する旨の書面が届きました。
 私も妹も働いていて時間がなく、また、手続も複雑そうなので、どのようにして遺言を実現したらよいのか分かりません。
 なお、父は母より先に亡くなっています。

<解決>
 改めて第三者を遺言執行者として、遺言の内容を実現するためには、家庭裁判所に遺言執行者選任審判申立てを行うことになります。この場合、遺言執行者の候補者を推薦することも可能です。
 通常、申立てから1カ月以内には、家庭裁判所が遺言執行者が選任されます。その後、遺言執行者が預金等を解約して、遺言の内容を実現します。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.06.19更新

<相談内容>
 私は、父が生存中、父が所有している土地上に建物(私の名義で登記されています。)を建て、父の死後も居住しています。父が亡くなった時、これといった預金などの資産もなく、居住を続ける上で、父が所有している土地の登記名義を変更しなくても問題がなかったので、相続に関する手続をとらず、そのままにしていました。
 ところが、父が亡くなってから、12年経った今になって、私の妹が、土地には自分の権利もある、私が独り占めしているのは不公平であると言い出しました。
 父は、亡くなる間際に、私に対して、「お前に、この土地をやる。」と言っていましたし、土地上の建物は私の名義ですので、このままにしておいていいでしょうか。
 なお、母は父より先に亡くなっています。

<解決>
 ご相談からすると、遺言はないようです。お父さんは、あなたに土地をあげる旨口頭で言っていたようですが、残念ながら、これは法律上何の意味もありません。
 したがって、相続人は、あなた(法定相続分2分の1)と妹さん(法定相続分2分の1)となりますので、妹さんに土地の権利があることになります。

 あなたはそのまま土地全部を使い続けたい、一方、妹さんは土地の2分の1の権利を形(金銭)にしたいわけですから、そこに法的な対立関係が生まれます。
  このような場合、手続外で遺産分割協議をすることもできますが、多くのケースでは、主張が平行線を辿り、結局は、家庭裁判所の遺産分割調停で話し合うことになります。

 遺産分割協議の場面で、一方当事者の代理人として他の相続人と協議すること、代理人として家庭裁判所での遺産分割協議に出頭できるのは弁護士だけです。
 当事者で遺産分割協議を行うと、感情的な対立が増幅し、紛争を長期化させることもあります。弁護士は、依頼者のお気持ちも聞きながら、法律的に主張できること、困難なことを整理して解決への道筋を示すことができます。

 なお、このような遺産分割協議においては、弁護士は、原則として、双方の間に入って仲介的な立場で問題の解決を図るということをせず、一方の依頼者の代理人として解決を図ります。他の士業においては、資格上、一方の依頼者の代理人となることができないため、仲介的な立場に立って、遺産分割協議書のみを作成することもあるようですが、相続人間では利害の対立があること(ある相続人の相続分を増やせば、他の相続人の相続分が減るという関係)ので、ある相続人から依頼を受けた弁護士は、仲介的な立場に立つことはできないからです。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.06.13更新

<相談内容>
 私の父は、10年前に妻を失い、その後、足腰を悪くしたこともあり、私は、父所有の自宅に同居して、世話をしています。私には、妹B子、弟C男がいますが、それぞれ遠方に住んでおり、父の世話をしていません。
そのようなことから、父は、感謝の気持ちを込めて、自宅(土地・建物)や金融資産(預金、株など)の多くを、私に相続させたいと考えてくれているのですが、そのようなことは可能なのでしょうか。

<解決>
 このような場合は、遺言を作成することになります。
 遺言には、いくつか種類がありますが、後の紛争を防止するため、公正証書遺言を作成することをお勧めします。もちろん、遺言作成のための相続人調査(戸籍収集)、資産調査、文案作成、公証人役場との折衝、証人としての立会い等、弁護士がサポートします。

 また、相続人には、遺言によっても奪えない権利として遺留分減殺請求権(民法1031条)がありますが、ご相談の上、その対策も練ります。

 弁護士を遺言執行者として御指名頂いた場合は、遺言を作成された方が亡くなった後、遺言執行(遺言の記載された内容を実現すること)もさせて頂きます。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

2012.05.30更新

相談事例集をのせていきます。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

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