相談事例集

2013.04.30更新

<相談内容>
 会社経営者である私の父Aは、この度、亡くなりました。

 相続人は、母B、私(長男)C、次男D、長女Eの4人ですが、私が、会社の後継者として安定的に経営に携われるよう、父は、公正証書遺言を作成してくれていました。
 
 その遺言においては、具体的に列挙できなかった遺産については、「その余の財産は長男Cに相続させる。」旨の記載がありました。

 ところが、父Aが遺言を作成後、亡くなる前に、Aの父Fが亡くなり、唯一の相続人であった父Aが、Fの不動産や預金一切を単独相続していました。

 私は、父Aの遺言に「その余の財産は長男Cに相続させる。」旨の記載がある以上、父AがFから相続した不動産や預金も相続できると考えているのですが、問題ないでしょうか。

<解決>
 この場合、Cにとっては、Fの不動産や預金も相続できればいうことはありません。

 しかし、母B、次男D、長女Eにとっては、そのような結論は、不公平で、受け入れ難しいものとなるでしょう。

 具体的には、B、D、Eは、、「その余の財産は長男Cに相続させる。」というのは、父Aが遺言を作成した当時、父Aが保有していた財産を意味するもので、Aが遺言作成後に、Fから相続した不動産や預金は含まない、Fの不動産や預金は、別途、B、C、D、Eで遺産分割協議の対象とするべきであると主張する可能性があります。

 では、どちらの言い分が正しいのでしょうか。

 どちらが正しいかについては、一刀両断的に答えを出すのは難しいといわざるをえません。
 すなわち、双方が一歩も譲らなければ、結局、裁判でき決着をつけざるを得なくなります。

 そうならないようにするためには、遺言の文言を工夫する必要があります。

 例えば、「その余の財産は長男Cに相続させる。」に続けて、「その余の財産とは、本遺言書作成時に存在するものに限らず、本遺言書作成後に遺言者が取得したものすべてを含むのとする。」と書いておけば、長男Cが考えているようになるでしょう。

 一方、「その余の財産は長男Cに相続させる。」に続けて、「本遺言書作成後に、遺言者が取得した財産については、法定相続分に従って、妻B、長男C、次男D、長女Eに相続させる。」と書いておけば、妻B、次男D、長女Eが考えているようになるでしょう。

 もちろん、Aが遺言を作成した後に、新たな財産を取得した場合、その都度、遺言を書き換えることも考えられますが、公正証書遺言では、手数料もかかりますので、上記のように表現を工夫しておくことで、余計なトラブルを回避することもできます。

 このように遺言は、文言の違いによって、結果が大きく異なりますので、自分の考えを正しく遺すために、遺言作成にあたっては、弁護士に相談されることをお勧めします。

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投稿者: シリウス法律事務所事務所

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