相談事例集

2013.02.21更新

<相談内容>
 今般、私の父が亡くなり、相続人である兄及び母と遺産分割協議をすることになりました。
 

 父は不動産(収益物件)を所有していたのですが、父が亡くなって半年たった今でも、賃料収入を、母と兄が独占しています。

 遺産分割協議が長引けば、それだけ賃料収入を母と兄が独占することになり、私には1円も入ってきませんので、不公平と思います。

 このような場合、私はどうすることもできないのでしょうか。

 なお、遺言はありません。

<解決>
 相続開始後に、遺産である不動産から生じた賃料債権のことを、法律用語で果実(かじつ)といいます。
 

 そして、このような果実は、遺産として遺産分割協議の対象とはならず、法定相続分に従って、各相続人が分割債権として確定的に取得するというのが、最高裁判所の考えです。
 

 例えば、本件で、相続開始後、毎月500,000円の賃料債権が発生するとした場合、母(法定相続分2分の1)が250,000円、兄と弟である相談者(法定相続分各4分の1)が、125,000円ずつ取得することになります。

 そうすると、相談者から見れば、毎月の自分の取得分として125,000円があるのに、その分まで母と兄が独占していることになり、これを返してもらいたいと思うのも当然です。
 

 しかし、上記の最高裁判所の考えからは、相談者は、この点に関しては、遺産分割調停ではなく、民事訴訟を提起して、不当利得して、母及び兄に返還を求めざるを得ないのが原則です。

 もっとも、遺産分割協議が進んでいる中、このような相談者が、別途民事訴訟を提起しなければならないというのは、いかにも迂遠ですので、母及び兄が同意するなら、遺産分割協議の中で、相続開始後に生じた賃料債権についても、協議して決めることは可能です。

 ただ、遺産分割協議が進んでいる最中に、母や兄が、独占した賃料を使い果たし、協議がまとまった時には、その清算が困難になるよう場合は、審判前の保全処分として、家庭裁判所に、遺産管理者の選任を申し立て、選任された遺産管理者に収益物件の賃料管理を委ねるのが安心です。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

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