相談事例集

2013.02.20更新

<相談内容>
 私は、父の遺産相続に関し、妹及び弟を相手に、家庭裁判所で遺産分割調停手続を進めています。
 父の遺産には、土地もあり、この土地をどうするかについて、私たち3人の考え方がまとまらず、調停開始から1年を過ぎています。
 このまま、話がまとまらなかったら、遺産分割調停はどうなるのでしょうか。
 なお、母は父より先に他界しており、父の相続人は私たち3人だけです。

<解決>
 遺産分割調停がまとまらなければ、調停は不成立となり、審判に移行します。
 審判とは、審判官(裁判官)が、当該遺産を、このように分けるべしと命ずる手続です。

 審判により土地を分ける場合、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4種類の方法があります。

 現物分割は、文字通り、一筆の土地を分筆して、分筆された土地を相続人で分ける方法です。
 土地は様々な形状ですから、分筆後の土地が、経済的にも物理的にも等しい価値であるとは限りません。
 また、もともと、一筆の土地として価値があったものを分筆するわけですから、小分けされた土地の価値をあわせても、もの一筆の土地の価値に及ばないことも多々あります。
 ですので、そう簡単には、現物分割はできません。

 代償分割は、例えば、相続人の1人が土地全部を相続する代わりに、土地を相続した相続人が他の相続人にお金を払って、取りすぎた分を清算する方法です。
 土地全部を相続した相続人に、代償金を支払う資力があり、他の相続人が土地自体を相続することにこだわりがなければ、代償分割は適しているといえます。
 逆に、代償金を準備できなければ、この方法をとることも困難となります。

 換価分割は、遺産である土地をお金に換える、すなわち、競売によって土地を売却し、その売却益を相続人でわける方法です。
 相続人全員が、土地に対するこだわりをもっていなければ、この方法によることもできますが、競売では、通常の不動産取引(任任意売却)と異なり、売却価格(落札価格)が低額になってしまう傾向がある点に注意しておく必要があります。
 要は、相続人全員が、土地にこだわりがなければ、全員で土地を、通常の不動産取引で売却した方が、お得であることが多いため、わざわざ審判にするまでもなく、調停で合意しておくべきということになるのです。

 共有分割は、土地を相続人の共有とする方法です。
 あくまで、共有のままですので、実質的には何の解決にもなりません。

 以上のように見ると、調停が不成立になった後、手続きとしては審判に移行するものの、そこで決められる分割方法は、必ずしも相続人全員にとって有利なものではなく、経済的には損をすることさえあります。

 遺産分割協議においては、感情の対立が生じることもありますが、相続人それぞれが譲歩しなければ、最後には、審判になってしまい、それぞれが損をすることもありますので、その点も加味して、妥協点を探っていくことも重要です。

投稿者: シリウス法律事務所事務所

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